2019年2月に調査を実施したドライドックの階段状の壁。「ふね遺産」に認定された

 佐賀市川副町のユネスコ世界文化遺産「三重津海軍所跡」が、歴史的で学術、技術的に価値のある船や関連設備を顕彰する日本船舶海洋工学会の「ふね遺産」に認定された。幕末の造船技術を今に伝える点を高く評価した。県内では初めての認定となる。

 学会によると、佐賀藩が海軍伝習と洋式船の修理などをする施設として整備し、土と木で作られた「ドライドック(乾船渠・かんせんきょ)」が国内最古である点を評価した。学会の担当者は「発掘した遺構、遺物の分析から伝統的な鍛冶、鋳物の技術が用いられたことも分かった。日本初の実用蒸気船を完成させるなど貴重な遺構」と指摘した。

 佐賀市は9月下旬、佐野常民記念館(川副町)を「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」としてリニューアルする。市歴史・世界遺産課は「オープン年度に合わせて認定されるよう準備を進めてきた。多くの人の関心が高まり、来場してもらうきっかけになれば」と話した。

 ふね遺産にはこれまで全国32件が認定されている。(大田浩司)

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