新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、国のワクチン供給の先行きに不透明感が広がる。佐賀県内の市町には、64歳以下への接種が本格化する7月のワクチン供給量について、当初予定の半分以下と示されたケースも。予約受け付けの延期を迫られるなど、突然の“ペースダウン”を受け、対応に苦慮している。

 唐津市は5日、ワクチン供給量が想定を下回る見込みのため、14日から予定していた60~64歳の集団接種の予約を延期すると発表した。個別接種や基礎疾患がある市民の新規予約も一時中断する。8月のワクチン供給量が判明する7月下旬に再開のめどを示す。

 市新型コロナワクチン対策室によると、月2回供給されるワクチンのうち、7月は60箱(7万200回分)を希望していたが、4分の1以下の14箱(1万6380回分)になる見込み。これまでは5月が35箱(4万950回分)、6月が33箱(3万8610回分)だった。

 世界的な変異株の流行でワクチン需要が高まり、市町で使う米ファイザー製ワクチンの輸入量は減少。さらに自治体の接種会場が増えるなどして接種能力は上がっており、「ワクチン不足」が生じている。自治体のワクチン供給への不安は全国的に広がっている。

 西松浦郡有田町も、12日から予定していた40代の予約開始を「国から供給されるワクチンの量が十分ではない」として延期することなどを決めた。

 伊万里市や三養基郡みやき町に届いた供給量の通知は、当初予定の半分だった。60~64歳の接種券発送を、予定の7月中旬から6月30日に前倒しした伊万里市の担当者は「60~64歳の2回目分までは確保が見込めるが、8月上旬の供給も半分になると苦しくなる」と先行きに不安を示した。

 ワクチンが希望通り届かなければ計画の見直しは必至となる。ある自治体の担当者は「65歳以上への7月接種完了に向けて尻をたたかれ続けた揚げ句、またワクチン供給の見通しが立たない状況。そのたびに振り回される」と国の対応に不信感を募らせる。

 別の自治体の担当者は「希望数からすると、かなり少ない供給量で進めざるを得ない」と戸惑う一方、「ペースはゆっくりになるが接種は確実に受けられる。慌てないでほしい」と冷静な対応を呼び掛ける。(取材班)

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