ため池の状態を確認する佐賀県ため池保全管理サポートセンターの職員や地域住民ら=5日午前、佐賀市久保泉町

 2018年7月の西日本豪雨では、農業用ため池の決壊が相次ぎ、全国で管理の在り方が見直される契機となった。決壊時に人的被害が出る恐れがある佐賀県内の「防災重点ため池」は約1400カ所と47都道府県で11番目に多く、適正管理を目的に今年6月に発足した「県ため池保全管理サポートセンター」による現地パトロールや、各市町でのハザードマップ作成が進められている。

 5日午前、佐賀市久保泉町にある鳥越堤。サポートセンターの職員3人は目視で設備のひび割れや漏水の有無を確認し、管理者の地元住民から堤体の一部から水がしみ出している現状を聞き取った。報告書をまとめ、市の担当課とも共有する。管理者の一人の小川英俊さん(75)は「何かあってからじゃ遅い。第三者の目から見てもらえてありがたい」と話した。

 西日本豪雨の被害は大きく、県内では三養基郡基山町の「亀の甲ため池」など35カ所が損壊した。防災重点ため池は354カ所だったが、見直しで約4倍の1419カ所(3月末現在)になった。

 ため池は農業者個人や地域で管理しているケースが多く、高齢化や人手不足を背景に管理が難しくなっている。センターは相談業務などを担い、パトロールは年内に120カ所で実施する計画。センターの坂口誠治さんは「管理者の不安を取り除くことが大切。異変を早期に察知し、適正な管理につなげたい」と話す。

 県内のため池ハザードマップの作成率は、3月末現在で40・5%。前年の16・1%から24・4ポイント増えた。各市町で差があり、神埼市や唐津市など8市町では完了している一方、未着手の地域もある。県農山漁村課は「ハード整備には時間が掛かる。避難行動に結び付けてほしい」と話し、ハードとソフト両面で対策を進める重要性を訴える。(円田浩二)

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