飲食店への営業時間短縮要請が解除されて1カ月。常連客などは戻りつつあるが、客足の回復はまだ道半ばという=5日夜、佐賀市大財の「創作居酒屋カミーノ」(撮影・山田宏一郎)

 佐賀県が新型コロナウイルスの感染対策で飲食店などに出していた時短営業要請が解除されて、6日で1カ月になる。飲食店の店主は「常連さんがやっと来てくれるようになった」と話し、回復へ向けこれからが踏ん張りどころといった様子。一方、スナックの経営者からは「会社員の動きがなく、厳しいまま」と嘆きが漏れた。

 5日夜、佐賀市大財の「創作居酒屋カミーノ」には数名の予約客の姿があった。常連という飲食店経営の40代の女性は「仲間を応援しなければという思い」とビールジョッキを傾けた。

 県飲食業生活衛生同業組合の吉田彰友理事長(69)によると、県内の飲食店の売り上げはコロナ禍前と比べ3~7割減と地域で濃淡があるという。接待を伴うスナックなどは5~8割減と、より厳しい状況が続いていると話す。

 吉田理事長は「福岡や東京、大阪など多くの企業が本社を置く地域が、まん延防止等重点措置の対象地域となっているため、会社員の動きが鈍いまま」と“夜の街”に活気が戻らない背景を推し量る。

 業界としても新型コロナの感染対策基準を満たした飲食店を認証する県の制度に申請するよう呼び掛けているが、対応にも費用がかかり「夜遅くの営業がメインの店の中には『もう閉めようと思っている』という声も聞かれる」と明かす。

 同市で20年以上スナックを経営する50代の女性は「街中を歩いているのはマスクもしてないような若い人が多く、ワクチン接種を終えたらしい高齢の人も見かける」。経営者や会社役員ら常連客の来店は少なく、「5月は初めて売り上げがゼロだった。6月もコロナ前と比べたら4分の1。引退に備えた保険を取り崩した」とため息をつく。

 福岡県への重点措置が11日までで解除の見込みということに希望を抱くが、「GoToイートも(接待を伴う)飲み屋は対象外。支援がないと仕事を続けられない人もどんどん出てくる」と危ぐする。(大橋諒)

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