吉田絃二郎の関連資料や情報の提供を呼び掛ける喜多秀哉館長=神埼市の神埼情報館

 大正後期から昭和期にかけて活躍した神埼市出身の作家吉田絃二郎(1886~1956年)の作品や資料を、同市の「神埼情報館」が収集している。功績を広く知ってもらう特別展示を30日から開催する予定で、喜多秀哉館長(54)は「手紙やはがき、作品が掲載された雑誌などがあれば教えてほしい」と情報提供を呼び掛けている。

 吉田絃二郎は旧神埼郡西郷村莞牟田(くぐむた)出身で、本名は吉田源次郎。早稲田大教授として英文学を教える傍ら、随筆、小説、童話、戯曲など幅広いジャンルの著作約240冊を残した。絵本になったり、教科書に載ったりした作品もある。

 情報館は現在、本や手紙、原稿用紙など約550点の資料を所蔵している。喜多館長の父で大学教授だった原岡秀人さん(88)が研究用に集めた資料を、情報館に昨年寄贈した。俳句や手紙数点を常設展示している。

 特別展を30日から8月29日に開催予定で、資料一覧づくり、手紙の読み解きを進める喜多館長は「もう一度名前を世に出し、誰もが知る吉田絃二郎にしたい」と抱負を語る。

 吉田絃二郎顕彰会の牟田辰三会長(77)は「芥川龍之介と並ぶほど活躍した作家で、戦争の影響がなければもっと読まれていたはず。地元の誇りとして伝え、再評価につなげてもらえれば」と期待を込める。

 開館時間は午前9時から午後5時まで。入館無料。問い合わせは同館、電話0952(37)1700。(森田夏穂)

【関連記事】
このエントリーをはてなブックマークに追加