鳥栖-広島 後半ロスタイム、同点ゴールを決める鳥栖MF酒井宣福(右)=広島市のエディオンスタジアム広島(撮影・米倉義房)

 最後まで諦めない姿勢が土壇場の同点劇を生んだ。鳥栖は1点を追う後半ロスタイム、途中出場のMF酒井が広島の厚い壁をこじ開け、千金の一撃で勝ち点1をもぎ取った。敗色濃厚になりながらも、選手たちは冷静にゴールだけを見据え、粘り強く戦い続けた。 

 守備に追われ、攻撃のチャンスをなかなかつくれなかった。シュート数は広島の「15」に対して、鳥栖はわずか「5」。後半に先制され、引いて守りながらもカウンターを狙う相手の組織的な守備に苦しんだ。しかし、後半28分から2トップを林と山下から、高さのある酒井とドゥンガに入れ替え、クロスやロングボールで相手を崩しにかかった。

 後半ロスタイム1分。DF島川が自陣から前線にボールを供給。そのこぼれ球を収めたMF小屋松がペナルティーエリア右に駆け上がってパス。最後は酒井が右足で冷静に押し込んだ。酒井は「ゴール前に入ってくるボールには全部反応するつもりだった」と振り返った。

 「試合内容からすれば良かったが、勝ち点3を持って帰りたかった」と酒井。劣勢に回った展開から同点に持ち込めた意味は大きいが、一切笑顔を見せなかった。直近の7試合のうち、引き分けは5試合。昨季からの課題である「勝ち切れない」が、浮き彫りとなっている。

 今節からリーグ戦の2巡目に突入した。勝ち点差「3」の3位神戸や4位名古屋を追い上げるためには、この日の引き分けを次にどう生かすか。決定力アップは容易ではないが、次節こそは勝利を求めたい。(井手一希)

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