自衛隊輸送機オスプレイ配備計画で、佐賀県有明海漁協南川副支所に所属する地権者を対象にした説明会の会場に入る人たち=2日午後1時51分、佐賀市川副町のスポーツパーク川副体育センター(撮影・山田宏一郎)

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画を巡り、防衛省九州防衛局は2日、取得を目指す駐屯地候補地33ヘクタールを所有する佐賀県有明海漁協南川副支所の組合員向け地権者説明会を開いた。3月下旬に当時の局長が同支所だけで説明した土地の買収額や振興策への具体的な言及はなく、地権者からは「説明内容が後退している」と不信の声も聞かれた。

 防衛省が取得を目指す33ヘクタールは全て南川副支所の所有だが、これを含む空港西側の一帯93ヘクタールは早津江、大詫間、広江の3支所にも地権者がいて、説明会は4支所ごとに開いている。非公開の説明会の3日目は対象の6割近い99人が出席。これで全4支所に対し、一通り説明したことになる。

 九州防衛局の伊藤哲也局長は「(4支所から)いろいろ心配の声をいただいたので、真摯(しんし)に受け止めたい。今後、(配備に)理解をいただければ、指摘を踏まえながら進めていきたい」との認識を記者団に示した。

 地権者説明会を巡っては3月下旬、広瀬律子前局長が南川副支所だけで先行して開催し、「1平方メートル当たり4350円」という土地買収額を示した。浸水問題を抱える漁港のかさ上げや新型漁船の整備といった具体的な振興策も列挙し、「防衛省にとって南川副は特別な存在」と特別視する考えを明確にしていた。

 反発した他の3支所が説明会の開催を拒否、広瀬前局長が謝罪に追い込まれた経緯があり、防衛局は今回、4支所に同じ説明をしている。2日の南川副支所に対する説明会でも前日までと同様、土地の買収額や具体的な振興策は示さなかった。国防上の必要性に重点を置き、工事中と完成後の排水対策や、事故の際の補償などを説明した。

 伊藤防衛局長は、南川副支所を重要視する認識があるかどうかを記者団から問われると「まさに防衛省が購入したい土地を持っているので理解いただかなければならない」としつつ、「他の支所も(自衛隊との空港共用を否定した)協定の関係などで相談していかねばならないので、丁寧に説明していく」とした。

 出席した地権者の一人は「南川副からすれば説明内容が後退している」と、中身が短期間で変わったことに不信感をにじませた。

 3日は南川副支所の非組合員93人が対象で、最終日の4日は参加できなかった人のための予備日になっている。(栗林賢)

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