ベストを着た「認知症役」に声を掛ける参加者=鳥栖市今泉町の鳥栖まちづくり推進センター

右肩に貼られた「鳥栖市高齢者見守りシール」の二次元コードを読み取る参加者

 鳥栖市の鳥栖地区地域包括支援センターが6月30日、同市今泉町の鳥栖まちづくり推進センターで道に迷った認知症患者への声掛け訓練をした。同市では2月から、行方不明になる恐れのある高齢者の衣服や持ち物に貼っておき、発見者が二次元コードを介して家族と連絡が取れる「高齢者見守りシール」を導入しており、その利用方法も確認した。

 訓練は6月21日も開き、両日合わせて区長や民生委員、高齢者の見守り担当者ら約50人が参加した。参加者は、認知症が疑われる人がいたら、まず安全確認・安全確保をする、相手の顔をしっかり見ながら話しかける、などのポイントを学習。認知症役の参加者に「こんにちは」「どこから来たの」と声掛けを実践した。

 住所を尋ねるとき「私は○○町だけど、あなたは?」と先にヒントを与えるとよいことや、警察に通報して到着を待つ間、同じ場所に引き留めるのが難しいときは「歩いてもらってもいいので、見失わないことに集中しよう」とアドバイスを受けた。認知症役が肩に貼った高齢者見守りシールの二次元コードも読み取り、その後の家族とのやりとり方法も確認した。

 訓練後の意見交換では「違っていたら相手に失礼になり、声を掛けていいのか判断が難しい」との声も多かったが、アドバイザーは「相手が不安そうにしているかで判断しよう」「その人が認知症かどうかではなく、手助けが必要かどうかが一番重要なことと考えて」と呼び掛けていた。

 訓練は、困っている高齢者や障害者に声掛けができる地域づくりを目指して初めて開催した。参加者からは「地域で効果を高めるため、一般の方にも訓練や周知の機会を広げてもらえれば」との声も上がっていた。(樋渡光憲)

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