自衛隊輸送機オスプレイ配備計画で、佐賀県有明海漁協早津江支所に所属する地権者を対象にした説明会の会場に入る出席者=6月30日午前9時20分、佐賀市諸富町の市産業振興会館(撮影・山口源貴)

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画を巡り、空港西側の配備候補地(佐賀市川副町)の地権者557人を対象とした防衛省九州防衛局の説明会が6月30日から、5日間の日程で始まった。防衛局は土地の買収額を提示せず、3月に当時の局長が自ら一部地権者に示した価格についても「公式見解ではない」として撤回した。

 初日は2回開かれ、県有明海漁協の早津江支所に関係する地権者28人と広江支所の59人が参加した。どちらも全体の5割程度が足を運んだ。

 防衛局によると、非公開の説明会では、国防上の必要性に関する説明に重点が置かれ、佐賀配備の地理的理由や機体の安全性、着陸料名目で支払う100億円の漁業振興基金、事故の際の補償にも触れた。これまで漁協や県議会に示したものと同じ資料を使って説明した。

 一方、土地買収額については提示せず、「不動産鑑定士による鑑定をした上で金額が決まる。現時点で示すことはできない」と手続きを説明するにとどめた。3月下旬に漁協南川副支所だけで事前に開いた説明会では当時の防衛局長が「1平方メートル当たり4350円」を示していた。

 説明会後、伊藤哲也局長は記者団に「正式な手続きを経ないで額を提示し、申し訳なく、反省している。公式見解ではない額で取り下げる」と陳謝した。

 参加した地権者らによると、日本一の生産量を誇るノリ漁への影響を懸念する声や、米軍の利用を心配する意見が相次いだ。

 地権者説明会は、自衛隊との空港共用を否定した協定の当事者である漁協が、「先に地権者の意向を確認した上で協定の見直しを判断する」として防衛省に開催を求めた。説明会後、土地売却の考えなどを尋ねるアンケートを実施し、その結果が漁協の判断を左右するとみられている。

 防衛省の要請は、オスプレイ17機を配備するため、空港西側の土地33ヘクタールに新たに陸上自衛隊の駐屯地を併設する内容。説明会は地権者が所属する漁協4支所が対象で、7月1日は大詫間支所、2、3日は南川副支所、4日は参加できなかった人のための予備日になっている。(栗林賢)

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