入院治療中の子どもに付き添って世話をする親の負担が、新型コロナウイルス禍の影響で増えている。感染拡大を受けて付き添いの交代が制限され、長期間病院に「缶詰め状態」となり心身に影響が出る親も。支援団体はサポート拡充の必要性を訴える。

 「親の寝食について少しでも心配してほしかった。思い出すのもつらい」。四国地方に住む女性(37)は4月、先天性心疾患のある長女(3)の手術のため、県外の大学病院で約2週間、付き添いを経験した。

 夫と小学生の長男との4人暮らし。付き添いの交代が認められず、専業主婦の女性が病院で付きっきりで寝たきりの長女の食事やシャワーの介助をした。夜は、小児用ベッドで夜泣きする長女の隣に体を縮めて横になったが、寝不足が続いた。

 2日に1回、わずかな時間を見つけ、院内の売店に自分用の弁当やカップ麺を買いに走った。予約制のシャワーを使えなかった日も。偏った食生活とストレスで吐き気や下痢に苦しんだという。

 子どもが入院する際の付き添いのルールは病院によって異なる。不要とする病院もある一方、泊まり込みでの24時間の付き添いを親側に要望するケースも少なくない。

 入院した子どもを抱える家族を支援するNPO法人「キープ・ママ・スマイリング」(東京)は5月、インターネットアンケートを行い、付き添いを経験した家族約190人が回答。半数を超える人が3カ月以上付き添ったと答え、半数ほどが「体調が悪かった」と回答した。

 心の不調を訴えた人は7割、栄養不足と回答した人も8割以上に達した。家に残し長期間会えない入院中の子のきょうだいに対する悪影響を心配する声もあったという。

 自身も長期間の付き添いを経験した同NPOの光原ゆき理事長(47)は「病院がコストをかけずに工夫できることはある」と指摘。一部の病院が患者用の一般食を親に有料で出したり、佐賀大病院内のレストランが付き添いの親への出前を始めたりした事例を挙げた。

 四国地方の女性も、PCR検査で陰性が証明された家族との交代を認めることや、親への食事の提供を提案する。「病棟に保育士を配置することで、1日30分でも親が自由に動ける時間があれば良い」と訴える。

 光原さんは「コロナ禍で付き添う親の負担は高まっている。NPOやボランティアの力を使って親の自由時間を確保するなど、サポートを充実させる必要がある」と話した。【共同】

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