新構造展で文部科学大臣賞に選ばれた作品

冬野健二郎さん

 東京都美術館で開かれている第93回新構造展で、小城市の冬野健二郎さん(62)の絵画が最高賞に次ぐ文部科学大臣賞に選ばれた。

 受賞作は夕日に照らされた有明海を題材に、ムツゴロウの求愛の様子を油絵で描いた。古代の壁画をイメージした背景には別の色を重ねて深みを持たせ、ナイフで絵の具を削って凹凸を付けることで奥行きのある作品に仕上げた。

 冬野さんは21歳の時、友人の紹介で故郷の多久市美術協会に入り、絵を描き始めた。2009年に勤務先が倒産し失業。しばらく絵画から離れたが、7月下旬に日光東照宮(栃木県)で開かれる記念美術展への出展をきっかけに、昨年冬ごろから活動を再開した。

 冬野さんは「素人だった自分に技術や感性を磨く環境を与えてくれた」と恩師たちに感謝し、「最高賞を取って恩返しできるように創作に励みたい」と話す。 新構造展は、自由な作風を探求する美術団体「新構造社」(本部・東京)が主催。新型コロナウイルス対策を講じて2年ぶりに開かれ、絵画部門には全国から約250点が寄せられた。会期は30日まで。(谷口大輔)

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