先日、テレビ番組で「生理の貧困」について報道していました。

 経済的に困っている若い女性たちの中には、毎月の生理用品を買う余裕がなく、生理用ナプキンの代わりにトイレットペーパーと食品用ラップを使用するとか、タンポンの代わりに丸めたトイレットペーパーを腟内に挿入しているそうです。

 報道を見て、私は信じられない気持ちになりました。1パック300円ほどのナプキンを買えないって、いったいどういうこと? 中には、親からナプキンを買ってもらえない女の子もいるということでした。食費を切り詰めるならともかく、生理用品は月経のある女性にとっては生活必需品です。

 日本の生理用品は海外のものと比べて、とても品質が良いそうです。吸水性がよくて月経血が後戻りしにくく、表面がさらっとしていてかぶれにくいものになっています。以前に比べて、ナプキンかぶれで産婦人科を受診する人は少なくなっているはずです。

 それなのに、ナプキンの代わりにトイレットペーパーをあてていたら、外陰炎をおこしたり、不潔になって感染を起こしたりしてしまいます。子宮内膜症や子宮筋腫など月経血の量が多くなる疾患のある人は、昼間も夜用の長い羽根つきのナプキンでも漏れてしまい、ショーツタイプのものが必要になるほどなのに、とてもトイレットペーパーでは対応できないはずです。

 第一に月経期間中ずっと不快な気分でしょうし、月経が始まると憂鬱になってしまうのではないでしょうか。

 ひと月にナプキンの代金も捻出できないのであれば、月経血量を少なくして月経痛も軽減する保険適応の低用量ピルを服薬するお金はおそらくないでしょう。困窮する女子学生に食料品だけではなく生理用ナプキンを配布している自治体もあり、日本全国でこの取り組みが必要なのかもしれません。

 将来、妊娠して子どもを産むためにも女性にとって大切な月経というものを苦痛なく過ごしてもらいたいと思います。(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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