株主総会後の会見で所感を述べる九州電力の池辺和弘社長=福岡市

 東京電力福島第1原発事故後の2011年6月、再稼働を巡り国が主催した説明番組で、九州電力社員らが賛成意見のメールを送った「やらせメール問題」から10年がたつことについて、九電の池辺和弘社長は25日、「過去に戻ることがないよう、二度とこういうことがないようにやっていきたい」と述べた。

 株主総会後の会見で報道陣の質問に答えた。池辺氏は問題発覚を受けて2012年9月に立ち上げた有識者でつくる「原子力の業務運営に係る点検・助言委員会」が、昨年3月に総括報告書をまとめ、「提言を反映しながら改善され、透明性は向上している」と評価されたことを紹介した。

 その上で「自分たちの所作について立ち止まって考え、社外の皆さんからご指摘いただき、真摯(しんし)に反省して、今の姿がある。過去に戻ることがないよう、この姿を続けていくことが私の役目」と強調した。

 やらせメール問題を巡っては11年7月、国会での指摘を発端に、玄海原発の再稼働に関する県民説明番組に賛成意見を投稿するよう九電が社員に求めたことが発覚した。その後の調査で、05年に県が主催したプルサーマル討論会でも、九電が動員や「仕込み質問」をしていたことが分かった。

 点検・助言委員会は総括報告書で、原子力部門だけでなく全社で安全を推進する枠組みを構築し、情報公開やコミュニケーションの重要性を認識、対応してきたことについて「重要な変化」と評価した。「経営トップのリーダーシップのもと、九州電力が自律的に原子力に係る業務運営を改善していく体制が構築された」としている。(大橋諒)

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