株主総会後の会見で所感を述べる九州電力の池辺和弘社長=福岡市

 九州電力は25日、福岡市内で株主総会を開いた。脱原発を目指す株主は原発の運転停止や原子力発電事業からの撤退などを提案したが、いずれも反対多数で否決された。池辺和弘社長は総会後の会見で、原子力規制委員会が評価手法を見直した基準地震動に関する玄海原発(東松浦郡玄海町)の対応について「(規制委の)判断が出た段階で適切に対応していく」との考えを示した。

 基準地震動を巡っては、規制委が断層などの痕跡が地表に現れない「未知の震源」による地震についても対象に加えるよう、評価手法を見直した。九電は玄海原発について変更は不要としていたが、規制委が18日の関連会合で承諾しない意向を示し、再申請の公算が高まっている。

 池辺氏は会見で、仮に再申請となった場合は、安全協定に基づく佐賀県と玄海町の事前了解の対象になるとした。

 玄海3号機が2022年8月、4号機が9月に設置期限を迎えるテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」については「土木工事が約7割まで進んでいる。間に合うように頑張りたい」とした上で、新型コロナウイルスの影響で遅延が出る可能性には懸念を示した。

 感染防止対策で総会全体の様子を株主限定でライブ配信したこともあり、会場を訪れた株主は86人と、1989年以降最少だった昨年の88人よりも少なく、所用時間も1時間39分と昨年に続き2番目に短かった。

 コロナ禍を踏まえて、原子力災害時の防護措置を自治体が改定するまで原発を止めるべきだと株主提案で訴えた農業の田口常幸さん(69)=唐津市肥前町=は「住民の不安に応えておらず残念だ」と批判した。(大橋諒)

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