JR九州の株主総会が開かれるホテルに入っていく人たち=福岡市のホテル

 JR九州は23日、福岡市のホテルで株主総会を開いた。新型コロナウイルスの影響で鉄道事業が打撃を受ける中、効率化によるコスト削減を進めているが、株主からは「サービス低下がブランド価値を損ねる」など懸念の声が相次いだ。

 同社はダイヤ改正による減便のほか、駅の無人化や窓口の営業時間短縮、回数券の廃止などコスト削減策を進める。佐賀県関係では4月に唐津鉄道事業部(唐津市)と佐賀鉄道部(佐賀市)を統合し、佐賀鉄道事業部を新設している。

 株主からは「営業時間の短縮で(駅員がいない場合)車いすの方の利用が難しくなっている」「少ない人員で仕事量がそのままでは現場の意欲が下がらないか」と懐疑的な意見が出た。

 担当役員は人口減少やコロナの影響が続く中、「手をこまねいていては会社の存亡に関わる。やらなければならない施策で、丁寧に進めたい」と理解を求めた。青柳俊彦社長も「鉄道事業を中心に徹底したコスト削減に取り組み、黒字化を目指す」とした。

 整備方式の協議が続く九州新幹線長崎ルートの新鳥栖―武雄温泉に関しては、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入断念を巡り再考の余地がないか質問があった。

 古宮洋二専務が、安全性、経済性に問題が生じて断念した経緯を説明。「フル規格による開設が九州全体の活性化につながる」とし、実現に向けて関係者との協議を進めるとした。

 総会会場には個人株主ら115人が訪れ、青柳氏を含む取締役11人の選任など全ての議案が可決された。(大橋諒)

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