弁当やテイクアウト用の料理などの宅配事業を始めた佐賀タクシー。トランクに乗せた保冷バッグに入れて届ける=佐賀市の同社

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って高まる宅配需要。タクシーによる飲食物の運送が2020年から4月から特例で認められたことで、佐賀県内でも宅配に参入する事業者が見られる。コロナ禍で業績が厳しくなる中、少しでも収益確保につなげようと模索している。

 佐賀市の佐賀タクシーは6月から、ホテルニューオータニ佐賀(佐賀市)と連携して「デリバリータクシー」を始めた。佐賀市内での宅配が基本で、配達料金は同ホテルから1・5キロまでが800円などとしている。祝い事のための料理の宅配や、夕食のテイクアウト需要を見込んでいるという。1人分の配達も可能で、佐賀タクシーの牛島尚子常務は「(ホテル側の)手が回らない部分のお手伝いができれば。移動手段だけでなく、新たなタクシーの役割を考えていきたい」と話す。

 特定の客に絞った取り組みも。唐津市の昭和タクシーは、九州電力送配電の従業員が台風など災害時の復旧作業にあたる時に弁当と飲み物を届ける。以前から玄海原発原子力発電所の作業員の送迎をしており、電力会社側からの依頼を受けて今年3月に契約を結んだという。昭和タクシーの担当者は「一つの事業として売り上げにもつながる。これからの取り組みだが、現場の要望に応えていきたい」と話している。

 タクシーによる貨物輸送は、国土交通省が昨年4月から飲食物に限って配達できるよう特例措置を認め、同10月以降も貨物自動車運送事業法の許可を取得すれば、引き続き特例が認められるようになった。(中島佑子)

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