山口知事と面談後、佐賀県議会の藤木卓一郎議長(右から2人目)らと会談した山本幸三与党検討委員長(同3人目)=22日午後、県議会棟

 5分と30分-。22日、佐賀県を訪れて九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化に向けた対応方針を伝達した与党検討委員会の山本幸三委員長。山口祥義知事との面談はわずか5分の緊張感漂うものだったが、藤木卓一郎県議会議長とは和やかに30分以上に及んだ。県政を担う二元代表制のリーダー2人のスタンスの違いが浮き彫りになった。

 「時間はどれほど…」。グータッチであいさつした後、こう切り出した山本委員長。「この後、新型コロナウイルスの対策本部会議があるので数分」。山口知事の答えに「数分! それじゃ急いで…」と慌てて説明を始めた。

 面談後、山口知事は記者団に「与党とはずっとボタンの掛け違いがある」と熱弁を振るった。与党プロジェクトチーム(PT)は新幹線を熱望する地域間の調整の場であり、佐賀県はフリーゲージトレイン導入断念に伴って調整の場から降りたにもかかわらず、与党がフル規格を決め打ちしてきた-。「本当はこの地域をどうするのかという原点に立ち返って考えなければならなかった」

 かたや、議長室を訪れた山本委員長を笑顔で迎え入れた藤木議長。面談は非公開だったが、与党の対応方針を「佐賀県に対して特段のご高配をいただく内容だった」と高く評価した。

 面談後、取材に応じた藤木議長は「JR九州が並行在来線の運行を維持することは佐賀県にとって核心的利益であり、譲れない一線だ」と伝えたことを明かした。山本委員長は「何とかJR九州を説得して結果を出したい」と応じ、フル規格整備に伴う地域振興策についても「自民党佐賀県連を通じて(要望の)話をいただければ妥当だ」との認識を示したという。

 記者団から、山口知事との対応の違いを問われた藤木議長は「知事の判断は尊重するが、県議会としては別の判断で与党の方針について議論を深める。(長崎ルートに関する)特別委員会を設置した県議会の目的にもかなうことだ」と強調した。(栗林賢)

【関連記事】
このエントリーをはてなブックマークに追加