文部科学省と厚生労働省は22日、中高生を対象とした新型コロナウイルスワクチンの学校での集団接種を「現時点で推奨しない」とする方針を、全国の教育委員会に通知した。同調圧力が生じ事実上の強制になる懸念があるためで、実施する場合は徹底した対策が必要だとしている。

 厚労省は米ファイザー製ワクチンの対象年齢を16歳以上から12歳以上に引き下げたが、文科省は集団接種に慎重な姿勢を示していた。自治体から「混乱を招く」との批判があり、政府の統一見解を示した。

 萩生田光一文科相は同日の閣議後記者会見で、ワクチンは高齢者や重症化リスクの高い人が優先されるとして「希望する生徒は、かかりつけ医などでの個別接種を進めてほしい」と述べた。

 通知では、同調圧力の恐れに加え、学校では生徒の副反応にきめ細かく対応する体制整備が難しいなどの制約があり「推奨しない」と明記した。

 その上で、地域の医療体制では個別接種が難しい事情があり、適切な対策を講じた場合に限り集団接種を可能とした。(1)16歳未満は保護者の同意を得る(2)放課後や休日、長期休業中など授業時間外に実施(3)接種を学校行事の参加条件にしない―といった取り組みが必要だとしている。

 留意点として、接種を望まない判断も尊重されることを生徒に指導し、いじめや差別を防止することも要請。接種前後に不安やストレスで体調不良になる生徒へのサポートも必要だと強調した。

 また希望する生徒に不利益を生じさせないため、接種の日や副反応で休んだ場合は、校長判断で内申評価に影響しない出席停止扱いにできるとの対応指針も示した。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加