九州新幹線長崎ルートについて与党検討委員会の山本幸三委員長(右から2人目)と面談した山口祥義知事(同3人目)=22日午後、佐賀県庁

 九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉の整備方式を議論している与党検討委員会の山本幸三委員長が22日、佐賀県庁で山口祥義知事と面談し、フル規格での整備に向けた与党としての対応方針を報告した。面談は5分足らずで、山口知事は「県はフル規格に手を挙げていないので、与党が上から決めつけるのはやめていただきたい」と与党の動きをけん制した。

 山本委員長は与党検討委が14日に上部組織の与党プロジェクトチーム(PT)に報告したフル規格での整備に向けた「在来線」「地方負担」「ルート」「地域振興」の4項目の対応方針を説明した。

 山口知事は「与党PTが上から(フル規格と)決めつけるのはやめていただきたい。これは再三申し上げてきたことだ」とフル規格を望まない県の姿勢を明確にした。その上で「国土交通省と(整備方式を特定しない)『幅広い協議』をやっているので、ぜひ見守ってほしい」と述べ、与党方針とは一線を画し、国交省との協議を重視する考えを改めて強調した。

 これに対し、山本委員長は「(与党として)最大限努力して課題解決に向けた作業はやっていく。その上で(佐賀県には)国交省との間で密接な協議をしていただければ」と応じた。

 引き続き、山本委員長は県議会の藤木卓一郎議長と非公開で面談した。会談後、藤木議長は記者団に「佐賀県に対してご高配いただく内容だった」と評価した。「県の負担を低減させるために(与党として)努力する決意を示した方針に対し、その労苦に感謝を述べた」とし、今後、県議会で議論を深めていくと強調した。

 与党の対応方針では、並行在来線は通常、新幹線開業後にJRから経営分離され、第三セクターで運行するが、「JR九州による運行の維持が不可欠」とした。また、佐賀県の財政負担軽減のため、JR九州が線路使用料(貸付料)を国側に支払う期間を現行の30年から延ばす必要性にも言及した。

 山本委員長は23日、長崎県庁で中村法道知事と面談するほか、JR九州を訪問して与党の対応方針を伝える。(栗林賢)

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