インターネットの普及に伴い、無料サイトを介して報道機関のニュースを読む習慣が広がった。サイトを運営するIT大手がデジタル広告収入で稼ぐ一方、記事を提供する新聞社は紙媒体が不振に陥り、経営が悪化。報道機関の記事対価の確保は世界的な課題になっている。

 日本のニュースサイトでヤフーニュースの存在感は圧倒的だ。英オックスフォード大ロイタージャーナリズム研究所の報告書によると、1週間に3回以上利用する人は51%に達し、2位のNHKの6%を大幅に上回った。新聞社はヤフーとの契約に基づき記事を配信しているものの、その対価は安いとの見方が業界では一般的だ。

 公正取引委員会は2月、IT大手と既存メディアの取引に関する調査報告書で「大きな交渉力の格差があり、一方的な取引を行わざるをえない」といったメディア側の不満に言及。配信料の算定基準や根拠を明確にすることが望ましいとの見解を示した。

 海外では、政府や議会がIT大手に対決姿勢を示し、対価支払いに向けて圧力をかける動きが活発化。オーストラリア議会は2月、米グーグルと米フェイスブックに対し、報道機関の記事を使用した場合、対価の支払いを義務付ける法案を可決した。

 米国の超党派議員は報道機関に対して独禁法の適用を4年間除外する法案を提出。地方紙などが強い交渉力で、IT大手に対し、対価を求められるようにするのが狙いだ。

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