知り合いから聞いた面白い話を紹介する。それは「18歳と81歳の違い」。テレビ番組「笑点」の大喜利で話題になったという◆「ドキドキが止まらないのが18歳、動悸(どうき)が止まらないのが81歳」「恋に溺れる18歳、風呂で溺れる81歳」「心がもろい18歳、骨がもろい81歳」などどれも面白いが、切なくなるものもある。例えば「自分探しをしている18歳、みんなが自分を探している81歳」◆認知症を引き起こす「アルツハイマー病」の新薬「アデュカヌマブ」が米国で承認された。有効性を巡り論議が続くものの、認知症の人を支える家族にとっては朗報だろう。問題は価格。今、世界で最も高価な薬はたぶん、「脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)」という難病の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」。医療保険の対象でも日本では1億円を超える◆人は「忘れる」ことで悲しみや苦しみが和らぎ、前に進める。でも、忘れたくないものも多い。思い出は生きてきた証しの一つ。明るく振り返られるのなら、今の暮らしがそう悪くないことを示していると思う。忘れる力も大事だが、記憶力も失いたくない◆最近、テレビに映る芸能人の名前が出てこないことが増え、少し不安なわが身。「大切な約束を忘れ、どうでもいいことを覚えているのが81歳」と笑われてもいい。時々は脳トレに励み、記憶力を磨こうと考えている。(義)

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