九州新幹線長崎ルートの暫定開業後も電化設備が維持されることになったJR肥前浜駅=鹿島市浜町

 2022年秋の九州新幹線長崎ルート暫定開業に伴い、並行在来線になるJR長崎線の肥前山口(杵島郡江北町)-諫早について、JR九州と佐賀、長崎両県は16日までに、肥前山口から肥前鹿島(鹿島市)までとしていた電化設備の維持区間を1駅先の肥前浜(同市)まで延ばすことを申し合わせた。普通列車にはディーゼル車両を導入する予定だが、電車も走らせることが可能になり、ディーゼルでは難しかった佐賀方面への直通運行につながる。

 肥前山口-諫早は両県が鉄道施設を維持管理し、JR九州が運行を担う上下分離方式を採用する。肥前鹿島-諫早は非電化とすることが決まっていた。

 JR九州や佐賀県によると、長崎県を含む3者で6月7日に申し合わせた。肥前鹿島には上下2本の線路しかなく、特急列車とディーゼル、電車の3種類の車両の往来に対応するのは困難だった。隣の肥前浜には線路が3本あるため、列車を待機させることができ、肥前山口-肥前浜は電車の運行が可能になるという。

 電化の延伸はJR九州から提案した。同社は「ディーゼルは維持費が高く、一部を電車にすることでコスト削減につながる」と理由を説明する。延伸に伴う電化設備の維持、更新の追加費用は同社が負担する。

 肥前山口-諫早の普通列車を巡っては、JR九州が「ディーゼルは速度が遅く、佐賀方面の長崎線への乗り入れは困難」との見方を示し、佐賀県が問題視していた。電車であれば、従来通り佐賀方面との直通運行が可能になる。一方、肥前浜より長崎側の駅を利用する人にとっては、電化区間でディーゼルと電車の乗り換えが発生する可能性もあり、県交通政策課は「乗り換え回数が増えて利便性を損なわないように要望していきたい」と話す。

 ダイヤ編成は開業直前に決まる見通し。JR九州は「利用者の利便性の確保に向けて検討を進めたい」と話している。(円田浩二、栗林賢、中島幸毅)

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