障害者を支援している佐賀県立地域生活リハビリセンター=佐賀市神野東

 佐賀市のJR佐賀駅北口から歩いて5分ほどの場所に「佐賀県立地域生活リハビリセンター」がある。障害者と社会をつなぐ支援になればと、県が2011年4月に開設した。

 回復期病棟がある小城市内の病院を退院後、佐賀新聞社への職場復帰を目指した「私」は、佐賀市の佐賀大医学部附属病院での「ロボットリハビリ」に加え、この施設にも通うことにした。

 地域生活リハビリセンターは病気やけがで障害を負った人たちが社会的自立に向け、機能訓練や生活訓練を受ける施設。生活動作に安定性とスピードをつけたい私にとっては理想的な場所だった。障害者手帳を持っている人は送迎の実費だけで利用できる。

 私は2016年1月から週2日利用し、その年の春からは月、水、金曜の週3日通った。

 半身麻痺(まひ)の後遺症で不便なのは「手」だ。歩けない時は「早く歩けるようになりたい」と思うが、歩けるようになって実生活に戻ると、両手を使えない不便さに参ってしまう。

 例えば電話。話すのは問題ないが、右手で受話器を持てば、それ以上のことはできない。だから、相手が言ったことをメモできない。「これは困った」と思ったが、イヤホンを使えば解決できると助言を受け、とても助かった。文字を書く時も左手で紙を押さえられないため、滑り止めのマットを購入し、ノートはリング式を使っている。いろんな不便も知恵と工夫で解決できる。

 地域生活リハビリセンターの訓練は月曜は身体機能訓練、水曜はグループ訓練、金曜日はパソコン操作など実務を想定した訓練だった。グループ訓練は利用者4人一組でその日の課題をこなす。病気だったり、交通事故が原因だったりと障害の種類、程度は違ったが、再就職や自分の居場所探しなど社会に関わりたいという利用者の思いは同じ。課題の一つ「模擬会社訓練」では電話で注文を受け、商品を用意する作業を役割分担した。回を重ねるにつれて親しくなり、連帯感も生まれた。卒業する時は「お別れ会」も開いてもらい、本当にありがたかった。

 金曜日の実務訓練は正確に速く作業をすることに加え、自分の身体状況を再認識する狙いがある。疲れやすい、集中力が長続きしないなど、自分の状態が分かることで、休憩をこまめにとるといった対策の必要性を自覚できる。私は何ができて何ができなくなっているのか、職場に戻った時を想像しながら訓練に励んだ。

(佐賀新聞社・論説委員)

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