映画の製作に向けて、物語の舞台となる場所を視察した実行委員会のメンバーら=2021年4月、熊本県菊池市(実行委員会提供)

九州統制の際、今川了俊が拠点を築いたとされる場所などを視察した実行委員会のメンバーたち=2020年11月、みやき町(実行委提供)

 小城市牛津町にまつわる歴史映画の製作に向けて市民有志が活動を進めている。南北朝時代の武将で、牛津町などを拠点に九州を統制したとされる今川了俊と弟の仲秋を題材に、これまで二つの映画を作った市民十数人が実行委員会を立ち上げ、脚本も手掛けた。「映画作りはまちおこし」を合言葉に地元住民の出演を計画し、来春の上映を目指して9月から本格的に撮影を始める。

 了俊の没後600年に当たる昨年の7月、3作目となる映画製作に着手した。郷土史家の協力を得て関連史料を集め、県内外の史跡を視察。サガテレビ元社員の田中正照さん(67)=牛津町=が過去の2作品に続き監督を務め、資料映像の撮影を進めている。

 映画は室町幕府の3代将軍・足利義満から九州統制の「探題」に任命された了俊と仲秋に焦点を当て、現代との関わりを分かりやすく伝える内容。南朝の中心勢力だった有力豪族と合戦後に和睦し、領地や地位を保障したという逸話も紹介する。無用な戦いを避け、民衆の平和な暮らしを守ろうとした2人の姿を、史実に基づく物語仕立てで描く。

 上映時間は60分程度を見込む。完成後は牛津公民館などで上映し、また短編のDVDを市内の学校に贈る予定。出演希望者を募集中で、26日午後7時から牛津公民館別館でオーディションを開く。

 小城出身の書道家中林梧竹と、初代司法卿の江藤新平の交流をテーマに2019年に手掛けた前作は、200人以上の市民が製作に関わり、市内外の約20カ所で上映された。田中さんは「新型コロナウイルスの影響で活動が制限されるが、地域の絆を深めるきっかけにしたい」と話す。

 実行委では個人、企業から協賛も募っている。問い合わせは事務局の松並さん、電話090(5056)3205。(谷口大輔)

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