先日テレビを見ていたら、朝の情報番組で22年にわたり司会を務めた小倉智昭さんの特集をやっていた。アナウンサー時代の軽快なナレーションも印象深い小倉さん。少年時代に吃音(きつおん)で悩んでいたと知って驚いた。

 言葉を滑らかに話せない吃音は、幼少期は20人に1人、成人は100人に1人がなるとされる。だが私の記憶をたどってみると、普段の生活で吃音の人と会うことはめったになく、数字と実感にズレがあった。

 吃音の子どもたちにカメラを向けた米国のドキュメンタリー映画「マイ・ビューティフル・スタッター」を見ると、その理由がよく分かる。子どもたちは、思うように言葉が出ないことに対して周囲からイライラした態度や心ない言葉を向けられ、沈黙を強いられていた。そして映画を見ながらふと考える。吃音の人を追い詰める不寛容な人々の中に、私はいなかったか-。

 映画はインターネットで配信中で、自身も吃音に苦しんだ東京都の奥村安莉沙さん(29)が広報を担当している。奥村さんから「吃(ども)っても大丈夫と思える社会にしたい。力を貸してほしい」という内容の手紙をいただき、本紙4日付の映画面で紹介した。料金はレンタルで870円。ぜひ。(伊万里支局・青木宏文)

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