コロナの感染が広がり、クリニックの受付にはビニールシートを張り、検温の器械とペダル式のアルコール噴霧器を置きました。時間外入口は24時間施錠し、面会者名簿を置いて出入りを管理するようになりました。

 外来受診時の付き添いは遠慮していただき、原則として子ども連れは禁止しました。入院中の外出を禁止し、面会もひと家族おひとりに限定しています。以前は和室なら上がり畳にお布団を敷いて、洋室ならツインのベッドかソファーベッドでご家族に泊まっていただくこともできましたが、今はお断りしています。常にマスクやフェイスシールドが当たり前になりました。

 そんな息が詰まるような状況下でも新しいいのちは生まれてきます。

 先日の立ち合い分娩(ぶんべん)で、必死でいきんでいる妻の頑張りと、生まれてきた初のわが子に感激して大泣きされているご主人がいらっしゃいました。人生でつらかったり悲しかったり絶望して泣くことは何度もあるかもしれませんが、うれしくて大泣きすることって数えるほどしかないのではないでしょうか。

 いつの時代も、生まれてくる新たないのちは未来への希望です。少子化がすすみ出生数は減少を続けていて、コロナで信じられないほど多くの死亡者がでている今、受け継がれていくいのちの誕生は周囲を明るい気持ちにさせてくれます。生きる希望を与えてくれます。

 早くコロナが収束して、子どもたちがマスクなしで外を駆け回れるような日が来ることを願うばかりです。

 (伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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