コンビニでおにぎりを買い、手に持って店を出る。最初は恥ずかしくもあったが、すっかり慣れた。レジ袋有料化で、経済、環境の両面から「みっともない」より「もったいない」。さらに意識が高まれば、レジ袋を下げた姿がみっともない時代になるかもしれない◆最近は「てまえどり」の表示を出しているコンビニもある。すぐに食べるなら、陳列商品は手前の物から購入してという店側のお願いである。消費期限が切れてしまうと廃棄処分になる。環境問題とも密接につながるため、食品ロスを減らそうという取り組みである◆農水省のデータを見ると、日本の1年間の食品ロスは約612万トンで、東京ドーム5杯分。なかなかイメージしづらいが、国民1人当たりに換算すると、毎日茶わん1杯分の食料を捨てている計算になる◆国連の推計では、世界の7億人が飢餓に苦しんでいる。世界食糧計画(WFP)のノーベル平和賞受賞で飢餓問題に対する関心は高まったが、紛争や気候変動に加え、新型コロナ拡大に伴う規制で状況は悪化しているという◆「カップヌードル」のふた留めシールの廃止が話題になった。長さ3センチほどのシールだが、年間でプラスチック33トンの削減。すぐに成果は出なくても、小さな工夫と心がけは世界につながる。手前も奥も、おにぎりは変わらずにうまい。(知)

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