佐賀県は11日、大隈重信らが学んだ佐賀藩の藩校「弘道館」の名称を関東在住の女性が商標登録したことを巡り、県が請求した無効審判で、登録を無効とする特許庁の審決が同日付で確定したと発表した。特許庁は県の主張を踏まえ「一私人が商標登録し、独占使用することは社会公共の利益に反する」と結論付けた。

 審決では、「弘道館」は歴史的な価値がある施設の名称として佐賀県などで親しまれ、教育事業や観光事業で大きな役割を果たしているとし、商標登録に関し「公益的事業の遂行を阻害する恐れがある」と指摘した。審決は4月26日付。謄本が県と女性の双方に5月11日に届き、審決への訴えを起こせる30日以内の期間を経て確定した。

 県や訴状などによると、女性は2013年に弘道館を商標登録し、県が実施する講座「弘道館2」は商標権侵害などとして18年に東京地裁に提訴した。地裁は「原告の商標登録は公序良俗違反に該当する」と心証を伝え、女性が20年6月に請求を放棄した。この訴訟とは別に、県が19年12月に無効審判を請求していた。(円田浩二)

このエントリーをはてなブックマークに追加