佐賀県は10日、県内の児童相談所が2020年度に対応した児童虐待の相談件数(暫定値)が、前年より181件多い898件だったと発表した。配偶者らへの暴力で子どもがストレスを受ける「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」に関する相談が増え、虐待者別では実父の件数が増加した。新型コロナウイルスの影響を受けた事例もあり、県が把握している2000年度以降で相談件数は過去最多となった。

 昨年度は新型コロナによる緊急事態宣言や学校の休校により、親子ともに自宅で過ごす時間が増えた。県こども家庭課によると、こうした状況を受け、親がストレスから子どもに暴力を振るうケースもあったという。

 相談の内訳は、心理的虐待が最も多く596件(前年比222件増)。身体的虐待185件(同2件増)、育児放棄103件(同46件減)、性的虐待14件(同3件増)と続いた。

 心理的虐待のうち面前DVは488件(前年比214件増)で、この増加が件数全体を押し上げた。虐待の通告経路は警察が最も多く592件(同212件増)だった。虐待者別では実父が456件(同123件増)で、実母は333件(同18件増)だった。

 同課は「新型コロナで大きな影響があったとまではいえないが、そのリスクは高まってきている。危機意識を持って対応していく」と話している。

 児童虐待の相談は、全国共通の児童相談所虐待対応ダイヤル「189」で受け付けている。(岩本大志)

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