自宅の車庫に巣を作ったツバメ夫婦に、めでたくひなが誕生した。5羽もいる。先日、妻が「カラスが何かくわえている。ツバメのひなじゃないかしら」と庭先で空を見上げた。心配して確かめると、わが家のひなは無事だった◆ツバメなど小動物に多産が多いのは、それだけ生存競争が厳しいということだろう。数年前、ひな1羽が巣から落ち、命を落とした。子育ての大変さを思う◆昨年の日本の出生数は約84万人で、統計開始以来最少となった。加速する少子化の背景には晩婚化などさまざまな要因があるだろう。医療技術が発達していなかった昔は、幼くして子どもが亡くなることもあった。子どもの数が多かった理由の一つと思える。裏を返せば、「無事に育ってくれるなら一人で十分」と思う夫婦が多いということだろう◆20年前のきのう6月8日、大阪府池田市の小学校で児童殺傷事件が起き、8人の幼い命が奪われた。安全なはずの学校で起きた惨劇は衝撃的で、こんな悲しい事件を繰り返してはいけないと今も思う◆子育て中は、時に予期せぬ悲しみも訪れるが、楽しみ、喜びも多い。大きな口を開けて親ツバメにえさをもらうひなに癒やされながら思う。愛情に理屈はないと。子どもは社会の宝物。子育てしやすい環境をつくりたいし、悲しい時、大変な時はみんなで支えよう。(義)

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