高齢者や体が不自由な人の自宅に出向いて髪をカットする「訪問美容」に取り組む夫婦がいる。小城市で美容室を営む永橋宏幸さん(51)と元看護師の妻智子さん(40)。顧客の体調を気遣いながらパーマや白髪染めにも対応、新型コロナウイルスの影響で通所の介護サービスを控える人たちの「きれいでいたい」という願いにも応えている。

 「体を少し傾けますね」「痛くないですか」-。3カ月ぶりに訪問した佐賀市の利用者宅。智子さんが寝たきりの女性(98)に優しく声を掛けた。体温や血圧、脈拍を測り、体調に異常がないかを確認した後、宏幸さんが女性の伸びた髪にはさみを入れた。