佐賀県の2020年の人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は、前年比4人減の13・5人で、全国最少だったことが厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。県が把握している1994年以降で最も少なく、全国最少も初めてだが、新型コロナウイルスの影響によるストレスや経済不安などで自殺者の増加が懸念されており、県は「一喜一憂せず、動向を注視したい」と話している。

 人口動態統計によると、佐賀県の2020年の自殺者数は前年比33人減の108人だった。佐賀県に次いで自殺死亡率が低かったの京都府と岡山県で、いずれも13・8人。一方、最も高かったのは岩手県で21・2人だった。全国平均は16・4人。

 佐賀県の自殺死亡率は2009年以降でみると、減少基調が続いていたが、18年から2年連続で悪化。19年は全国9位と高水準に達していた。

 今回、自殺死亡率が低下したことについて、県障害福祉課は「自殺にはさまざまな要因が絡むが、コロナ禍にあっても県内は都市部ほど大きな行動制限がなく、経済への影響も最小限で済んだことが要因の一つかもしれない」と語る。一方、新型コロナの影響が後から出てくる恐れもあり、「一喜一憂せずに、市町と一緒に動向を注意深く見守っていきたい」と話している。

 佐賀県内では「佐賀いのちの電話」が自殺予防を目的にさまざまな悩みを抱えた人に寄り添い、24時間体制で相談に応じている。電話0952(34)4343。(岩本大志)

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