18、19歳は「特定少年」になるという。厳罰化を図る改正少年法である。禁じられていた実名報道も起訴段階で解禁。民法の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる来年4月に合わせて施行される◆少年と成人の境界をどうするか。社会の仕組みとしては年齢で線を引くしかないが、子どもと大人の境はどうだろう。コラムニストの天野祐吉さん(1933~2013年)は「いまの世の中、大人が少なくなった」と書いている。もう40年近く前の文章だが、全く古さを感じない◆いい年なのに子どもみたいで、分別のある大人には見えない。天野さんはそんな人が増えてきたとしながらも、否定的に捉えてはいない。社会の迷惑になってはいけないが、大人社会のこわばった知性を自在に突き崩し、大人と子どもの間を往復できる“こどな”の活躍を期待した◆成人年齢に近づけば、大人の分別や振る舞いを求める。その枠から外れると、「近ごろの若者は…」と顔をしかめる。そうやって生きているうち、凝り固まった常識に縛られていることに気づかなくなる◆平均寿命は年々延びて女性は87歳、男性は81歳を超えた。始まりも前倒しになると、大人を務める年月は長い。周囲に迷惑をかけなければ、もっと自由な発想で過ごしてもいいのではないか。いい年をして“こどな”に憧れる。(知)

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