昭和天皇の御歌が鋳込まれている因通寺の大梵鐘=基山町大字宮浦

 み仏の 教え守りて すくすくと 生ひ育つべき 子らに幸あれ

 この歌は昭和天皇(1901~1989)が1949年、基山町の因通寺洗心寮に行幸になった印象を詠まれたものである。

 当時、因通寺では先の戦争で親兄弟を亡くし、天涯孤独の身となった孤児たちを救おうと「戦争罹災児救護教所 洗心寮」を開設していた。

 5月22日、因通寺洗心寮へ行幸になった陛下は、ご自身から子どもたち一人一人に「どこから?」「元気でね」などと声をかけられ、和やかな雰囲気の中、各部屋を回られた。

 ご出発の折には、全員の子供たちが手を振り、「さようなら」と叫び、陛下との別れを惜しんだ。

 文頭の歌は、因通寺の大梵鐘に鋳込まれている。その鐘の音が鳴り響くたび、土地の人々には行幸の日の光景がよみがえり、今も語り継がれている。(地域レポーター・久保山正和=基山町倉)

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