北に面した職場の窓はかなり大きく、見晴らしがいい。時々、JRの高架を特急が通り過ぎる。ガタンゴトンという振動音を聞きながら、あの列車に飛び乗って旅に出られたらなあ、とふと思う◆コロナが後押しした形の「働き方改革」で最近、「ワーケーション」という言葉を耳にするようになった。「ワーク(働く)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、リゾート地で休暇をとりながらテレワークをする働き方だ。昔は考えられなかった働き方だが、インターネットを使いこなす若い世代には抵抗感は少ないだろう◆言葉は何かに心を動かされた時に出てくる。出勤すると仕事のスイッチは当然入るが、パソコンに向かっても、思いつかない時は全く筆が進まない。仕事には発案、発想、企画段階があり、この段階では非日常に身を置いてもいいかなと思う◆先日発表された今年の「サラリーマン川柳」の人気投票で、1位は「会社へは 来るなと上司 行けと妻」だった。どちらの顔も立てる方策の一つがワーケーションかもしれない。景勝地に行き、言葉が生まれるのをゆっくり待つ。そんな働き方もいいなあ◆一方で、旅は帰る家があるから安心して楽しめる。非日常も大切な日常があってこそだろう。日常にも心を動かされる時はある。感性を豊かにすることが先決か。(義)

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