地面に作った巣から周囲をうかがうコアジサシ=佐賀市諸富町

巣の周りを低空飛行するコアジサシ=佐賀市諸富町

 佐賀市諸富町の建物跡地で、渡り鳥のコアジサシ10羽ほどが子育てに励んでいる。現地では10日から資材搬入が始まる予定だったが、日本野鳥の会佐賀県支部から延期の相談を受けた中野建設(佐賀市)が「巣立つまで待ちましょう」と快諾。温かく見守っている。

 コアジサシはカモメ科の絶滅危惧種で、成鳥で30センチほど。河川敷や海岸の砂浜に穴を掘って卵を産むが、近年は大雨による増水や環境破壊などの影響で繁殖地が激減している。雑草が少ない建物跡地の砂地が河川敷に似ており、餌になる魚が泳ぐ川も近くにあるため、巣を作ったとみられる。

 同支部の宮原明幸支部長は「工事のスケジュールなど迷惑を掛けてしまうという思いもあったが、小さな命を守ってもらいたいと相談した」と話し、粋な計らいに感謝する。

 コアジサシのひなは、卵からかえって20日ほどで飛べるようになり、親鳥と一緒にオーストラリアやニュージーランドに向かって旅立つという。(写真と文・山田宏一郎)

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