諫早湾干拓を巡る訴訟に関し、「適切、誠実に対応している」と述べるにとどめた野上農相=衆議院

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門を開けるよう命じた確定判決を巡る請求異議訴訟の差し戻し控訴審で、福岡高裁が漁業者側と国に和解協議を提案していることに関し、野上浩太郎農相は3日、「一般論として、訴訟の手続きに従って適切かつ誠実に対応している」と述べた。「開門せず基金による和解を目指す」とする従来の国の方針には言及しなかった。

 衆院農林水産委員会で立憲民主党の大串博志議員(佐賀2区)が、2日に福岡高裁で開かれた差し戻し審の進行協議について質問した。野上氏は「非公開の場で裁判所が設定した趣旨に鑑み、答えることは適切ではない」とし、内容は明かさなかった。

 野上氏は5月中旬の衆院農水委員会などで「開門することは現実にも実現困難であり、多くの深刻な問題を引き起こす。引き続き平成29年の大臣談話に沿う出口を探っていきたい」と答弁していた。大臣談話は、開門によらない基金による和解を目指し、開門しない方針を明確にしている。この日の答弁では、大臣談話に言及しなかった。

 大串氏は「これまでは一般論として、『開門によらない基金による解決が国のスタンスだ』とおっしゃってきた。若干トーンが変わってきたと感じている」と指摘した。(山口貴由)

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