国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の効力を争う請求異議訴訟の差し戻し控訴審(岩木宰裁判長)の進行協議が2日、福岡高裁であった。国と漁業者の双方が出席し、前回の弁論後に高裁が書面で示した「和解協議に関する考え方」について非公開で意見聴取が行われた。

 高裁は4月28日、「開門」「非開門」についての前提条件を設けず、両者に和解に向けた協議のテーブルに着くよう呼び掛けていた。漁業者側弁護団によると、高裁は双方から別々に意見を聞いた。国側は「和解協議に関する考え方」に対して、高裁にいくつかの質問を行ったという。内容は明らかにされていない。

 漁業者側は、6回目となる上申書を提出して高裁の考え方に賛意を示した。馬奈木昭雄弁護団長は「国が、裁判所の提案を拒否できず、テーブルに着いたのは大きな成果。実質的には和解に向けた協議のスタートだ」と評価した。

 国側は、開門によらない基金による和解が望ましいとする従来の姿勢を崩しておらず、「非公開の進行協議の内容について申し上げることは差し控える」とした。(中島幸毅、小部亮介)

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