ワクチン接種の無料送迎に取り組むNPO法人「ベネッセの会」理事長の永友恵子さん=鳥栖市

 新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、福祉有償運送を手掛ける鳥栖市のNPO法人「ベネッセの会」理事長の永友恵子さん(67)が、同市や三養基郡3町の交通手段がない高齢者を医療機関や接種会場まで無料で送迎している。「すべてはコロナ収束のため。これが自分にできる支援だと思った」と語る。

 ベネッセの会は2005年に発足。要支援者や障害者ら移動困難者に通院時などの有償運送をしている。接種時の無料送迎を思い立ったのは「移動手段がなくて困っている」と相談されたのがきっかけ。「送迎車両があり、必要な保険もかけている。今やれるのは自分たちだけではないか」と考え、5月27日に開始した。

 ストレッチャー搭載の車両もあり、付き添いがあれば寝たきりや認知症の人も対応できる。2日前までに予約すれば、接種の30分前に会場へ送迎する。

 福祉施設などの送迎車両を利用できる高齢者もいるが、「普段は福祉や医療サービスに縁がない一人暮らしや免許返納世帯は困っているのでは」と永友さん。暑さが増す中、「徒歩15分の距離だが、途中で具合が悪くなると困る。ワクチンは未知の経験だけに、何があるか心配」と話す予約者もいた。

 利用料をもらうと障害の有無などで送迎できる人が限定されるため、完全無料にした。ガソリン代や車内カーテンなどの設備代は赤字になるが、「お金を準備していたら間に合わないので、即実行に移した」という。問い合わせは同会、電話070(5491)5289。(樋渡光憲)

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