唐津支社に届いた封筒の裏に、旧姓をカッコ書きした、見覚えのある名前があった。手紙を開くと、やはりその人だった。28年前、記者として駆け出しの頃、大分国際車いすマラソン大会に出場する話題を取材した、当時の金立養護学校高等部の女子生徒である。

 懐かしさと、驚きとうれしさが入り交じった。病院の待合室で新聞を読んでいて、唐津のライブハウス「リキハウス」が閉店する記事の署名を見て思い出したという。

 長い年月が過ぎていたからだろう、冒頭に「覚えていらっしゃいますか?」とあり、追伸にも「ずいぶん昔の事ですので覚えて頂けているのか不安です」とも書かれていた。

 ニュースの価値判断もよく分からず、聞くもの、見るもの、ただひたすら次々と原稿を書いていた頃である。大会で見事に優勝し金メダリストになったこともあるが、指導者と懸命に練習する姿は印象深く、忘れられない取材だった。

 ツイッターで「本日のうれしき事」と題して手紙のことと「覚えてますよ」とつぶやき、少し時間をかけて返事を書いた。今は同じ唐津市内に住む。再会できる日を楽しみにしている。(唐津支社長・辻村圭介)

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