ロボットリハビリの一つ「HAL]。両足に装着し、ウオーキングマシンの上を歩く=佐賀市の佐賀大医学部附属病院

 脳出血の後遺症で左半身麻痺(まひ)となった「私」は、約半年お世話になった小城市内の病院を退院した翌日の2015年9月24日、佐賀市の佐賀大学医学部附属病院を受診した。この病院で最先端のリハビリをやっているという情報を担当医から聞き、紹介状を書いてもらっていた。

 それは「ロボットリハビリ」。しかも、入院患者向けではなく、外来だった。私は、この分野の第一人者といわれる医師に診てもらうことになった。

 磁気共鳴画像装置(MRI)の検査を経て、ロボットリハビリを始めたのは年明けの16年1月13日からだった。

 歩くためのロボットリハビリにはいくつか種類があり、佐賀大医学部附属病院では、主に「HAL(ハル)」と「アシスト」の2種類を使っていた。担当PT(理学療法士)によると、「アシストは、ある程度歩けるようになった患者に効果がある」といい、その目安は10メートルの歩行タイムが30秒だった。

 自分の意思とは無関係に足先が震える「クローヌス」がひどかった当時、私は10メートルを歩くのに40秒かかった。そのため、「HAL」を使用することになった。

 「HAL」は、足首から太ももの付け根までのスーツタイプ。着るというよりは、脚の側面に取り付ける感じだ。かなり重い。

 スーツを両足に装着後、ウオーキングマシンの上方に設置されたバーと体を安全ベルトで結び、転倒しないようにする。そして、ロボットスーツから延びた電線を、左太ももに貼り付けたセンサーにつなぐ。

 人は体を動かそうとする際、脳からの指令が電気信号となって神経に伝わり、筋肉を動かす。この微弱な電気信号を、太ももに貼り付けたセンサーが感知すると同時に装着したロボットスーツが自分の足のように動く。「HAL」はそういう仕組みだった。

 ウオーキングマシンの上を繰り返し歩くことで歩行動作を思い出し、元のように歩けることを目指す。浅見医師は「同じ動作を何度でも正確に繰り返せることが、ロボットリハビリの特徴」と話す。確かに、アシスト力がなければ重いスーツをつけた状態では長時間歩けない。自分の意志で左足を前に出しているのか、機械に動かされているのかよく分からなかったが、私はひたすら、ウオーキングマシンの上を歩いた。

 ちなみに、ロボットを使ったからといってリハビリ料が高くなるわけではない。私は今も、定期的にアシストによるリハビリを続けている。(佐賀新聞社・論説委員)

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