小城市芦刈町の出来事やゆかりのある人物をまとめた「芦刈町戦国史」

東統禅さん

 小城市芦刈町の郷土研究誌「芦刈町戦国史」が出版された。町内の福田寺の住職で、小城郷土史研究会員の東統禅(あずま・とうぜん)さん(53)が文献調査や住民への聞き取りを重ね、地域の発展に尽くした人物や歴史上の出来事と町との関わりを掘り起こしている。

 研究会の会誌で2011年から発表してきた内容に新しい研究成果を加筆し、100ページ(B5判)にまとめた。戦国時代を中心に鎌倉時代から昭和初期ごろまでの間で大きく九つのテーマに絞って考察した。

 第1章の「鎌倉時代」では、福田寺にある千葉氏の家紋入りの墓に焦点を当てた。鎌倉幕府の御家人で、蒙古襲来に備えて九州に渡った千葉頼胤(よりたね)の父時胤(ときたね)の遺骨を現在の芦刈町に埋葬したことを記す史料を参照。かつて福田寺の近くにあった寺院には千葉氏の守護神と伝わる「八大龍王」が祭られていたことなどから、時胤の墓ではないかと推察している。

 「江戸時代」の章では、現在の長崎県小長井町に水路を築いた芦刈出身の遍路(巡礼者)を紹介。現地で「小城芦刈産」などと刻まれたほこらを見掛けたのをきっかけに文献や伝承を調べ、「人々のために尽くした無名の芦刈の先人を発掘し得た」と結んでいる。

 住民への聞き取りの際、「詳しい人が(高齢で)亡くなった」という声を各地で聞いたという。東さんは「地域の歴史が埋もれてしまう前に記録し、伝えていく必要がある」と話す。(谷口大輔)

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 「芦刈町戦国史」はリーフレット2部(各A4判、両面カラー)付きで1800円で販売。問い合わせは福田寺、電話0952(66)1681。

 

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