定例会見で佐賀県の取り組みなどについて説明した山口祥義知事=26日午前、県庁

 佐賀県の山口祥義知事は26日の定例会見で、新型コロナウイルスワクチンの県営の大規模接種会場について「直ちに必要な状況ではない」としつつ、設置する場合の検討を始めたことを明らかにした。政府が掲げる高齢者接種の7月末までの完了が難しくなった場合に備えつつ、65歳未満の接種での設置も想定する。

 県内20市町は高齢者への接種について7月中に完了予定としており、それぞれ地域の医師会と連携し、接種に当たる医療従事者の確保に努めている。一方、政府は都道府県に対して大規模接種を検討するよう求めていて、その際は米モデルナ製ワクチンを配送する考えを示している。

 山口知事は現時点で大規模接種が必要な状況ではないとの認識を示しつつ、県営で会場を設ける場合、準備に時間を要するため「大規模なものになるか分からないが、モデルナを受け入れる体制は必要だと議論している」とした。

 接種は市町主体になるため「(県が大規模接種に取り組むことで)市町が混乱しては元も子もないので、市町と相談を開始した。どういった県営の接種があり得るのか、この検討は65歳未満の接種でも生きてくると思う」と述べた。(栗林賢、円田浩二)

 このほか、山口知事が会見で示した新型コロナ関連の主な見解は次の通り。

 【首長のワクチン接種】

 全国の自治体首長らが高齢者に先駆けて新型コロナワクチンを接種していたことを巡り、山口知事は「首長が打つのは問題ない」と述べ、危機管理の観点から早期に接種すべきとの考えを示した。自身に関しては「県民が順番に打つ中で、私もいずれタイミングがあれば打つことになる」と話した。

 接種が「沈没する船」に例えられ、「船長」である首長は最後が望ましいとの一部論調があると指摘した上で「コロナの接種は沈没する船ではなく、運航しており、船長はとても大事な役目を果たす。トップは『最初に打つ』と高らかに宣言して打つべき」と強調した。

 【災害時の避難所運営】

 コロナ下での「3密」対策に配慮した市町の災害避難所運営に関し、山口知事は「コロナ対策ばかりを考えて切迫した命の危険をおろそかにしてはいけない。優先順位を間違えると、救える命が救えなくなる」と話し、危機が迫った場合はコロナ対策よりも避難を優先するよう呼び掛けた。

 【福岡県の宣言延長】

 福岡県が緊急事態宣言の延長を政府に要請したことを受け、山口知事は「緊急事態宣言が続く形になるのは佐賀県としてはありがたい」と述べた。県内飲食店への営業時間短縮要請を伴う県独自の「医療機関を守る非常警戒措置」に関し、徐々に緩和してリバウンド(感染の再拡大)防止を図るため、新たな方法を検討しているとした。

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