JR佐賀駅周辺

 佐賀県と国土交通省が整備方式を協議している九州新幹線長崎ルート新鳥栖―武雄温泉に関し、与党検討委員会(山本幸三委員長)は、フル規格整備を前提に佐賀県の財政負担軽減策を検討する。フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)導入断念の経緯を考慮し、財源措置を議論する。並行在来線は、JR九州が関わった上で維持すべきとの立場で検討を始める。26日に会合を開き、議論の方向性を確認する。

 複数の関係者によると、与党検討委は「新鳥栖―武雄温泉間に関する検討の方向性」を議題に会合を開く。フル規格を想定した場合の課題に挙げられる「在来線」「佐賀県負担」「ルート」「地域振興」の4点について解決を目指し、一定の方向性を持って検討を始める。

 県負担については軽減を図るため、FGT導入の断念を踏まえ、鉄道事業者が支払う線路使用料(貸付料)を財源に充てる措置などを議論する。フル規格整備で生じる並行在来線の維持には、JR九州が関わる方向で検討する。ルートは「佐賀駅ルート」が適しているとの立場で、佐賀県側から具体的な提案や要望があれば議論する方針。地域振興は、新幹線の開業効果を最大限に発揮するためとして、佐賀駅周辺の開発やインフラ整備を検討する。

 与党検討委は26日の会合で、四つの課題について議論の方向性を確認する。具体的な検討を進めた後、親会にあたる与党プロジェクトチーム(細田博之座長)に結論を報告する見通し。課題解決の方策を示すことで「佐賀県がフル規格に反対する理由をなくす」(与党関係者)狙いがある。

 整備方式を巡っては、与党が2019年8月に「フル規格が適当」とする基本方針を取りまとめた。その後、佐賀県と国交省は、特定の整備方式を前提にしない「幅広い協議」を続けている。長崎ルート武雄温泉―長崎はフル規格で建設中で、22年秋ごろに暫定開業する。(取材班)

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