佐賀県の高校生の県内就職率

 今年3月に佐賀県内の高校を卒業して就職した生徒のうち、県内就職を選んだ生徒の割合が65・4%(3月31日現在、速報値)になり、県が目標に掲げた「65%以上」を達成したことが25日、県のまとめで分かった。県内就職率が65%を超えたのは18年ぶり。県は県内企業と学校を橋渡しする取り組みが奏功し、コロナ下で地元志向の高まりも影響したとみている。

 県によると、今春就職した高卒者2189人のうち、県内を選んだのは1432人。県内就職率は19年度から4・7ポイントアップした。

 12~18年度の県内就職率はいずれも50%台後半で、高卒者の県外流出に歯止めがかからず、県は19年度から「プロジェクト60」と称し、保護者や高校2年生に向けた合同企業説明会などを始めた。

 19年度の県内就職率は60・7%となり、20年度は「65%以上」を目標に設定。コロナ下で制約が増えたものの、ビデオ会議アプリで「Web企業紹介会」を開くなど支援事業を強化し、専門学科や総合学科のある高校で面接指導などを担う支援員を20人に増やした。県産業人材課は「コロナ下で地元志向が高まる中、県内企業を知ってもらう取り組みが実を結んだのでは」とみる。

 県内の商業高校の進路指導担当教諭は、コロナ下での就職活動について「保護者はもちろん、生徒本人も家から離れたくないという声が多かった。『県外に出ても九州内』という家庭もあった」と話す。県外からの求人が全体的に減る一方、優秀な人材を得たい県内企業からは好条件の求人が多く、「もったいないような求人が余ったりした」と振り返る。この高校では、もともと県平均より県内就職率が高かったが、今春は8割を超えたという。

 県は21年度から新たに住居支援制度を始めた。社員寮や住宅手当を設け、通勤圏外の高校生を採用した県内企業に1人当たり月1万5千円を補助する。県産業人材課は「進路選択は生徒の自由だが、県内企業の魅力を知らないまま決めるのはもったいない。引き続き学校と企業の交流促進に注力したい」と話す。(円田浩二)

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