注文が減ったため従業員に休んでもらい、ほぼ一人で店を切り盛りしているという酒販店の店主。時短要請延長の影響を不安視する=佐賀市

 「いよいよ厳しい」。山口祥義知事が飲食店などを対象にした午後8時までの営業時間短縮要請を延長する考えを示した19日、佐賀県内の飲食店や酒屋などの関連業者からは厳しさを増す一方の現状を憂う声が相次いだ。「落ち着くまで徹底してやるしかない」との声も漏れたが、表情には昨春から続く「正念場」に疲れの色がにじんだ。

 午後3時半ごろ、佐賀市で酒販店を営む50代の男性店主のスマートフォンに、卸先の飲食店から「時短要請が延長される」との連絡が入った。男性は「昨年5月も厳しかったが、実は今が1番厳しい。延長されればさらに悪くなる」とため息をついた。

 注文は日に日に減り、卸先が店をたたむケースも。山積みのキャンセル品を知人に配ったり、自宅で消費したりすることも増えたという。県はこの日、飲食店以外の売り上げが減った事業者に一律15万円(法人は20万円)の応援金支給を発表したが、「ないよりは助かるが、飲食店の額と比べても支援が薄いのでは」と不満を隠さない。

 県飲食業生活衛生同業組合の吉田彰友理事長(69)は「スナックなどは実質的に休業要請。月末までだとしたら3週間は収入がゼロということになる」と影響の大きさを指摘する。

 今回の時短要請に際し、組合では協力金支給に関して県に独自の上乗せを求めていたが、県が打ち出したのは「感染症対策を徹底している店を認証し、一律15万円を支給」。吉田理事長は「5月だけで10件以上、組合員から追加融資に関する相談があった。このままでは資金がショートする店が多発する」と懸念した。

 5日ぶりに県内の感染者数が40人台に上り、福岡など隣県の感染者数も高止まりする中、時短の期間延長に理解を示す声も。佐賀市のカフェレストラン「E.A.D」のマネジャー高祖幹さん(42)は「中途半端にするより状況が落ち着くまで徹底してやる方がいい」と話す。感染対策認証店支援については「お金だけもらって感染対策が不十分という店が出ないように、きちんとチェックしてほしい」と求めた。(志波知佳、中島佑子、大橋諒)

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