開門しない基金による和解を目指す考えを示す野上浩太郎農相=衆議院

諫早湾干拓事業の訴訟を巡り、国の姿勢を批判する大串博志議員=衆議院

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門を開けるよう命じた確定判決を巡る訴訟の差し戻し控訴審で、福岡高裁が漁業者側と国に和解協議を提案したことに関し、野上浩太郎農相は19日の衆院農水委員会で、「平成29年の大臣談話に沿って出口を探る」とする従来の答弁を繰り返し、開門せず基金による和解を探る姿勢を示した。

 立憲民主党の大串博志議員(佐賀2区)が「国として1ミリでも譲歩することはできないのか」と和解協議に向けた姿勢をただした。

 野上氏は「開門義務の履行に向けて努力を重ねたが、必要な事前対策工事の着手もできなかった。開門による防災上の支障が増大し、排水門の閉め切りを前提とした農業も発展している」とした上で「開門することは現実的にも実現困難で、多くの深刻な問題を引き起こす」と語り、大臣談話に沿った解決を目指す考えを強調した。

 大串氏は「和解は双方の譲歩が必要。かたくなな国の態度は極めて問題が大きい」と批判した。(山口貴由)

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