富士大和温泉病院では、受け付け開始と同時に10回線ある電話がすぐに埋まった=佐賀市富士町

次々と寄せられる相談に応じるスタッフ=佐賀市のコールセンター

佐賀市から届いた医療機関一覧を手元に置き、予約の電話をかける接種対象者=市内

 新型コロナウイルスの感染確認が続く中、佐賀市で75歳以上へのワクチン予約が始まった。予約開始時間以前から、予約を求める住民が並んだ病院や、受け付けなどの通常業務に支障が出た医療機関もあった。かかりつけの医療機関につながらず、何度も電話を繰り返した人も。佐賀市のコールセンターには「予約の電話がつながらない」という問い合わせも相次いだ。(取材班)

 

 ■通常業務に支障も

 かかりつけの患者以外の予約も受け付けたある医療機関は、初日に約150人の予約を受け付けた。院長は対象を限らなかった理由について「かかりつけ医がいない人もいる。地域を守るため、多くの人を受け入れようと思った」と話す。午前11時近くまで電話が続き「対応に人をとられ、受け付けや会計、検査の補助など通常業務に支障が出た」と振り返った。

 27日からは65~74歳の予約が始まり、今後も業務に影響が出ることが予想される。「きょうは希望日の予約が取れず怒りをぶつける人もいた。医療機関も全力で対応していることを理解してほしい」と話した。

 かかりつけの患者の予約だけに対応した医療機関では、百数十人の患者のうち、初日だけで約70人の予約を受け付けたところもあった。

 

 ■相談ひっきりなし

 佐賀市のコールセンターでは、受け付け開始の午前9時前から電話が鳴り響いた。スタッフ15人が次々と相談に応じ、1時間半で100件以上になり、夕方までにこれまでで最も多い723件の相談が寄せられた。

 「医療機関に電話したが、(個別接種の)予約が取れなかった」という相談が最も多かった。コールセンターでは6月10日から集団接種の予約を受け付けるが、「個別接種の予約はここではできないのか」「きょうは集団接種の予約はできないのか」といった声もあったという。

 担当者は「3月から相談を受け付けているが、これほど多かったのは初めて。親身になり、皆さんの不安を解消できれば」と話す。

 市役所に設けた窓口への相談件数は25件だった。

 

 ■30分後につながる

 5月末に75歳の誕生日を迎える佐賀市鍋島の犬尾貞秋さんは午前9時から、かかりつけの医療機関に電話をかけ始めた。

 「通話中でかからんね。直接並んだ人が先なんだろう」。時間を置きつつ、別の医療機関にも電話。計十数回プッシュボタンを押し、30分後につながった。最初に医療機関から提示された日は都合が悪かったが、調整の結果、6月上旬に1回目の予約が取れた。

 「予想よりスムーズでよかった」と犬尾さん。民生委員などを務め、人に会う機会も多く「ワクチン接種をすることで、安心につながるよう願いたい」と話した。

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