活動を休止した松浦文化連盟の川打恒子会長と宮﨑芳輝運営委員=唐津市坊主町の事務所

活動を休止した松浦文化連盟の事務所(2階)=唐津市坊主町

松浦文化連盟の事務所に飾られている創設者・笹本寅氏の写真

 戦後間もない昭和23(1948)年に文化で地域の復興を目指して設立された松浦文化連盟(川打恒子会長)が今春、活動を休止した。会員減少や運営委員の高齢化に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響で主催する文化祭が昨年中止になり、運営費が大幅に足りず活動断念に追い込まれた。70年以上にわたり唐津・東松浦地区の文化振興に貢献してきた文連の休止で、今後の文化振興への影響を懸念する声も上がる。

 松浦文化連盟は、唐津市出身で第1回野間文芸奨励賞を受賞した作家笹本寅(つよし)氏らが中心となり、九州でも古い団体として産声を上げた。秋の文化祭をはじめ、市民講座や映画・演劇の鑑賞公演、史跡探訪会を実施、唐津焼の歴史と文化を研究してまとめた本も出版した。1999年から20回続いた唐津「五足の靴」短歌大会や、文人の歌碑・文学碑の建立(約30基)、中国、韓国の文化団体との交流など幅広く活動してきた。名誉会員を務めた俳優の故森繁久弥さんとも交流があった。

 文連は現在、唐津市坊主町に事務所を借り、事務局員1人。会費年6千円や会報紙(年4回発行)の広告、企業の協賛、文化祭チケット販売益で、100万円程度の運営費を賄っていた。市からは年8万円の補助を受けている。会長ら役員は無報酬だった。

 ピーク時は200人を超えた会員も、現在は92人に半減した。会員減少で会費収入が大幅に減り、企業支援も先細る中、コロナ禍で文化祭中止が大打撃となって赤字に陥った。事務所の維持も困難と判断し、今年3月末で休会した。

 2005年から6代目会長を務める川打さん(76)は「歴史ある団体だから本当に悩んだ。つらいけれど、もう根尽きて限界」と語った。今後、運営の担い手や財政的支援の協力を得られる状況になれば、活動再開の可能性もあるとしている。

 会員で日舞「花祐会」会主の花柳三祐さん(86)は「連盟があって切磋琢磨(せっさたくま)できていた。ないといけない存在。何とか復活してほしい。唐津の文化の灯を消さないで」と訴えている。

 唐津市内には松浦文連とは別に合併前の旧町村単位の文化連盟が活動している。(辻村圭介)

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