小冊子を持つ大詫間まちづくり協議会の古賀種文歴史文化部会長(右)と馬場正幸副部会長=佐賀市川副町の大詫間公民館

 佐賀市川副町の大詫間まちづくり協議会(内田卓治会長)が、小冊子「遺跡や石仏が語る大詫間の歴史」を刊行した。大詫間が誕生して400年にわたり、先人が自然災害を乗り越えて郷土を守り抜いてきた足跡や地域の伝承を分かりやすく伝える。

 冊子はオールカラー24ページで、協議会の歴史文化部会が2019年10月から1年半がかりで制作した。郷土史に詳しい馬場正幸副部会長(73)が編集責任者を務め、町民への聞き取りや文献調査を行いまとめた。

 掲載した20項目のうち半数が神仏関連で、頻発する風水害の被害が出ないように祈り、犠牲者を鎮魂してきた歴史がうかがえる。佐賀藩初代藩主が「島」の占有権を示すため建てたほこらが起源の松枝神社、高潮や干ばつから島民を守るよう祈った「権現さん」を紹介する。

 葉隠で知られる山本常朝に影響を与えた儒学者石田一鼎(いってい)が手掛けた半鐘がある正傳(しょうでん)寺、佐賀と福岡の漁場争いを鎮めるための境界碑、干拓関連の石碑や堤防も掲載する。

 「今では由来が分からなくなった石像やまつりがあり、記録する大切さを感じた。文献を調べるのに本当に苦労した」と馬場副部会長。大詫間の全戸約450戸に冊子を配布済みで、古賀種文部会長(73)は「読みやすい言葉遣いを心掛けた。郷土愛が芽生える契機になれば」と狙いを語る。

 600部印刷しており、市内の公民館や図書館にも寄贈する予定。閲覧希望の問い合わせは大詫間公民館、電話0952(45)4480。(大田浩司)

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